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現代はストレス社会である。ふとした拍子に自分の口から「毒」が漏れていないだろうか?

ネットを見れば、知名人から一般人まで呪詛の言葉を吐かれていない人間はおよそいないのではないかとも思えてしまう。

が、「呪い」というのは今に始まったことではない。日本の歴史と共に歩いてきたとも言えるだろう。そこで今日は「日本呪術全書」を見てみようと思う。

目次

  1. 現代人と「呪い」
  2. 「陰陽道」の呪術
  3. 「神道」の呪術
  4. 終わりに~人を呪わば~

現代人と「呪い」

私自身「呪術」や「呪い」といったことを信じているわけではない。しかしながら京都やその他の地にある「縁切り寺」を思い出してみて欲しい。今でも多くの人が病気や悪い男・女との「悪縁」を断ち切るために訪れている。しかしそういったまともな願いの中に「AとBの縁を切ってくれ」というものも混在している。

様々なしがらみに囚われながら生きるしかない世の中である。自由になるには自由の概念の外へ行かなければならないだろうが、そんな人はまずいない。とするならば、我々は誰かを恨んだり、妬んだり、「あいつさえいなければ」とか「不幸になればいい」と心のどこかで思いながら生活しているはずである。そう考えると、私たちは「誰かを呪う素養・素質」があるということではないだろうか?

「呪い」など信じていないと言っておきながら、「呪いの手紙」や「不幸の手紙」といったものが消えないのはなぜだろう。例えば親しい友人・知人に「あなたを呪っている人がいるって噂が流れている」と聞かされたらどうだろう。ドキッとしないだろうか。ここでもやはり信じていないとは言いつつも、完全には呪いの存在を捨てきれていないことがわかる。それはつまり「自身が呪われる素質も持っている」ということではないだろうか。

さらに「呪い」とは一人いればできてしまうのである。つまり自分自身がいれば呪うことはできる。というのも呪う側は最初からその効果を信じているだろうし、呪われる側は呪いの存在を知らないのだから。このような関係を見つけようと思えば自分のまわりに簡単に見つかってしまうのではないだろうか?

そんなわけであなたは誰かに呪われているかもしれないし、その人物はあなたが苦しむ様をみて悦んでいるかもしれない。しかしまた、あなたの呪いに苦しんでいる人物がいるかもしれないのだ。
※ちなみに実際に「呪い」の行動をとった場合、器物破損や不法侵入、脅迫罪や傷害罪などで訴えられる可能性がある

「陰陽道」の呪術

そのことを踏まえた上で陰陽道にはどんなものがあるのか見てみよう。
そもそも陰陽道とは古代中国の陰陽五行説を基とし、そこへ易や民間信仰が結びついて六世紀頃日本へ伝来したと言われている。天文・暦数・占筮・相地を扱い、吉凶禍福を察して祭祀や方術を行い災いを避け、呪詛や呪殺なども行われていた。現在でも高知県物部村では「いざなぎ流」として生き残っている。

・「撫で物」
紙で作った人形で自身の身体を撫で、最後に息を吹きかける。毎年この行為をしている人は今でも多いのではないだろうか。それらのルーツが陰陽道の撫で物であると考えられている。つまりは自身が持つマイナス要素を人形へ移すのである。

・「物忌み」と「方違え」
平安時代の貴族社会では、嫌な夢を見たときや、何か不吉なことがあって気になる場合、門を閉ざし、数日外出せずに身を慎みながら、家の中に引き籠もっていることがあった。それを物忌みという。
それともう一つ、よく出てくるのが「方違え」だろう。こちらは自身が向かう方向が凶方である場合、別の方角を経由して目的地へ向かう手段のことを言う。「御堂関白記」や「枕草子」「源氏物語」などでよく出てくるので実際どんな感じだったのか見てみるのも面白いかもしれない。

この本にはさらに呪文や呪いも数多く載っている。
・「生業繁栄の呪言」
毎朝、朝日を拝したのち、八回唱えれば、自然に生業が繁盛して金銭に困ることはないというもの。曇りや雨の日でも日の出の方向に向かって言うのが原則。
「金伯五金の気を呼び、全家の軸となる。百幸千福、甲(○○家)の金箋に集まり、五方化徳、大皓金神、願わくば兆家(○○家)に留まらんことを。奇一天心、奇増万全」

「神道」の呪術

延喜式に国津罪の一つとして「蠱物せる罪」というものがある。蠱物とは呪術のことである。このことからも、古くから日本では呪術が広く行われていたことを知ることができる。
人形に釘を打ちこみ呪いをかけたり、呪いの藁人形を火の中に投げ仲違いさせる方法、さらには神社の社殿の下、墓地、四辻に埋める方法などもあったそうだ。神道で言う祟りとは本来神が現れる徴を意味していたが、時代が下るにつれ神罰を指すようになったようである。

・「丑の刻参り」
呪いと聞いて多くの人が思い浮かべるのがこの「丑の刻参り」ではないだろうか。漫画やドラマ、ゲームの影響で多くの人が一度は聞いたことがあるに違いない。しかしながら「正確な丑の刻参りの方法」を知っている人はどのくらいいるだろうか?
実際は一日ではなく七日間の日程が必要である。藁人形と五寸釘、鉄槌を用意し、白衣と神鏡を身に着け一枚歯(あるいは三枚歯)の高下駄を履き、女性なら櫛を口にくわえ五徳を逆さに立てて三本のローソクを立て頭にかぶり、道中決して人に見られてはならないなどである(ちなみに見られたら死ぬと言われている)。さらに藁人形の製作にも規定があり(月によって使用する草が違うなど)それはもう細かい伝承が残っているらしい。
そして「丑の刻参り」と言えばやはり「貴船神社」であろう。今でも釘が打ちこまれることがあるという貴船神社。私が行った日が偶々雨だったせいもあるが、なかなかに雰囲気のあるところである。さらに「宇治の橋姫」伝説にも貴船神社は登場している。

・「幽冥神語」
縁結びの神であり、幽世の大神とされる大国主命の神徳を仰ぐ方法。困った時に三度唱えれば救済が施されると言う。
「幽世の大神、憐れみ給い恵み給え、幸魂奇魂、守り給い幸い給え」

終わりに~人を呪わば~

人を呪ってしまうような、そして人から呪われるような生活はしたくないものである。
人を呪わば穴二つ。呪いを掛ければ必ず自分にも返ってくる(それも倍になって)というものだ。
が、呪いとはお互いを規制するための道具であったとも言える。その道具を手放して久しい我々は今後どのように自分の中の「呪い」と向き合っていくことになるのだろうか。
オススメ度★★☆☆☆
面白さ★★★☆☆
図説 日本呪術全書

豊島 泰国 原書房 1998-09-01
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日本人は無宗教と言われることが多い。実際「あなたはどの宗教を信仰していますか?」なんて聞かれてたらはっきりと答えられる人は少ないだろう。

だが、はたしてそうだろうか? 本当に日本人は無宗教なのだろうか?
そんなわけで今日は「日本の民俗」という本を見てみようと思う。

目次

  1. 日本の民俗~祭りと芸能~
  2. 日本の民俗~暮らしと生業~
  3. とんまつりJAPAN~日本全国とんまな祭りガイド~
  4. そんなわけで

日本の民俗~祭りと芸能~

日本の民俗 祭りと芸能 (角川ソフィア文庫)

芳賀 日出男 KADOKAWA/角川学芸出版 2014-11-21
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芳賀日出男氏は写真家・民俗研究家だ。折口信夫の国文学の講義を受けるうちに「来訪神」「マレビト」について興味を持ったそうだ。
「神は季節の移り目に遠くから訪れ、村人の前に姿を現す」と折口は語った。
そこで芳賀氏はそれが本当ならば、写真に収めることができるかもしれない、そう思ったらしい。そして日本人の暮らしに密着した写真を撮ることになる。

こちらでは主に「祭り」と「芸能」がとりあげられている。
神の依代である御幣や、神を招くための清めや祓い、田の神に豊作を願う田植えの祭りなど多くの写真と共に詳しく解説してくれている。あえてすべての写真が白黒であるが、その写真達からは動的な力強さが伝わってくる。

そもそも「まつり」は神を祀ることだとされている。
とするならば、現在も各地で続く「祭り」もそこには神の存在があるはずだ。そしてその祭りを毎年楽しんでいる。今でこそすべてのものに神が宿るという考えは薄くなり、自分は無宗教だ・神なんかいないと思っている人も多いだろうが、そうであっても初詣には行くし、お盆には祖霊に参る。

このような民間信仰を「民俗宗教」というそうだ。神話を語り、万物に神が宿り、先祖の守護を信じそれらのために儀式を営むことと定義されるらしい。民俗宗教を駆逐しようとする創唱宗教に対し、民俗宗教はそれらを吸収・習合して来た。祭りや民間信仰が仏教に近かったりするのもそのためであろう。

とすると、日本人は定まった名前の宗派が無いというだけで、実はその多くの行動、習慣は「民俗宗教」に規定されているものであり、それに則った生活を送っているわけである。

日本の民俗~暮らしと生業~

日本の民俗 暮らしと生業 (角川ソフィア文庫)

芳賀 日出男 KADOKAWA/角川学芸出版 2014-11-21
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そしてさらにその時代に生きる人にまで近づいたのがこちらの「暮らしと生業」である。
だんだんと簡略化されては来ているが「正月」や「盆行事」、そして日本人とは切っても切れない「稲作」について、これまた豊富な写真と詳しい解説が載っている。「巫女」についての章では「遠野物語」にも出てくる「おしら様」の写真ものっている。

こちらもやはり写真に写る人々は生きいきとしている。親戚付き合い・ご近所付き合いはとても重要なものだったのだと改めて知ることができる。

今でこそ我々が普通だと思っている文化・風習も何年か、何十年かしたらそれは忘れ去られたもの、過去のものとして捨て去られているかもしれない。少しでもかけがえのないもの、良いものを未来へ残す工夫をしなければならない。そんな気持ちを起こさせてくれる二冊だ。

とんまつりJAPAN~日本全国とんまな祭りガイド~

とんまつりJAPAN―日本全国とんまな祭りガイド (集英社文庫)

みうら じゅん 集英社 2004-07
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上記二冊の本を読み、学者でも何でもない今の自分に何が出来るか。そう考えたときに思い浮かんだのは祭りへの実際の参加である。しかも有名どころではない、あまり知られていない祭りに実際に参加しその祭りの起源を調べてみようじゃないか。そう考えたわけである。

そこで私はこの本を手に取った。
みうら氏の軽妙な語りとその祭りの挿絵や写真が相まって非常に面白い。地元にこんな祭りあったんだ、と驚愕するとともに、紹介された地元の人も首を傾げるシーンがちらほら。このままではいかん!

この本には18の祭が紹介されている。
とくにこの表紙の和歌山・笑い祭りはとてもインパクトが強い(この横から覗いてるおっちゃんは誰なんだ?)。なんとか時間をつくりつつ全国47都道府県の祭を巡ってみたいものだ。

そんなわけで

全国お祭リストを作成してみようと思っております。
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