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タグ:忍者

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今月の1日から和田竜原作「忍びの国」の公開が始まった。
興行収入は30億円を越える見込みのようだ。
公開されたばかりだが、映画評価サイトのレビューは概ね好印象のようである。

では原作のほうはどうなのか?今回はこの「忍びの国」を見てみようと思う。




目次

  1. ヒット作を書き続ける男・和田竜
  2. 忍者って何者!?
  3. 「忍びの国」を読む
  4. 織田信雄に漂う悲哀~あいつは能でも舞わしとけ~
  5. オススメ度

ヒット作を書き続ける男・和田竜

当初脚本家を目指していた和田氏。2003年「忍ぶの城」で第29回城戸賞を受賞した。
そして2007年に忍ぶの城を自身の手で小説化、「のぼうの城」として出版。こちらは後に野村萬斎氏主演で映画化された。

そして2014年には「村上海賊の娘」で第35回吉川英治文学新人賞と2014年本屋大賞、第8回親鸞賞受賞した。他に「小太郎の左腕」が2009年に小学館から刊行されている。

本作「忍びの国」は2008年に新潮社から刊行されたもので、第30回吉川英治文学新人賞候補となった小説である。エンターテイメント性を豊富に詰め込んだ、従来とは違った歴史小説でいま注目を集めている作家である。

忍者って何者!?

今作「忍びの国」はタイトル通り「忍者」が主人公である。
忍者といったら「NARUTO」のような火遁・土遁などの派手なアクションや、暗がりで相手を暗殺する、そういったものを想像するだろうが実際の戦国期の「忍者」とはどんなものだったのだろうか?

主な仕事はやはり情報収集や監視、連絡、破壊工作などだったようである。
また伊賀忍が傭兵色が強く金銭で動く集団だったのに対し、侍がルーツだとも言われる甲賀忍は忠誠心に厚く、合議制などを導入し多数決で決定していたようだ。

忍びに共通していることは身体能力に優れ、厳しい規律に縛られた諜報集団ということだろう。また近年では動植物学や化学の知識を持つ技術者集団としての一面もあったと言われている。

伊賀・甲賀の他にも武田氏の透破、北条氏の風魔、伊達氏の黒脛巾組などが有名だろうか。
実在した忍者では百地三太夫のモデルとなった「百地丹波」「藤林長門守」、謙信や信玄がその能力を恐れた「鳶加藤」などがいる。また松永久秀が苦手とする人物の一人「果心居士」も実在したかは不明だが良く語られる人物の一人だろう。

ちなみに「服部半蔵」は服部半蔵家の当主の通称。
一番有名なのは「鬼半蔵」こと「服部正成」。「槍半蔵」渡辺守綱と共に怖れられた。また正成は武士であって忍びではない。伊賀衆を率いたことは事実かつ出身も伊賀ではあるがゲームや小説のように彼自身が暗殺や忍び働きをしていたわけではない。

「忍びの国」を読む

舞台は「天正伊賀の乱」である。
第二次まであるのだが、「忍びの国」では第一次伊賀の乱で終わっている。

この小説は一応「時代小説」であるのだが、エンターテイメント寄りの時代小説である。これを知った上で読めば非常に面白く読めるが、バリバリの時代小説として期待して読むととんだ肩透かしを食らうので注意が必要だ。だが、時代考証や設定はしっかりしているし、随所で出てくる作者も気にはならない。

ではどこが評価を分けるのか。これは忍者に何を求めるのか?ということになってくる。
上で述べたような地味な活動をする、実在しそうな忍者はこの小説には登場しないのだ。出てくるのはどちらかといえば「NARUTO」や「ドラゴンボール」よりの人物たちである。
主人公の無門さんは消えるのである。速すぎて。
このシーンを読んで思い出されるのは天下一武道会での対天津飯戦だ。あんなノリや、
「見えん!この神の目にも!」
的なノリが好きであればきっとこの小説は面白い筈だ。また最終的には私の中で無門さんはるろ剣の「外印」になってしまった。安土城から去る無門さんは去り際に「幾何八方囲陣」のようなものを施して去って行く。

ネタはさておき、この小説は登場人物の心理が良く描かれているなあと思うのだ。
特に信雄の信長に対するコンプレックス。信雄を安易に無能なムカつくクソ野郎に書かなかったのは好感が持てる。また、北畠具教の一の太刀くだりなどはニヤッとしてしまう人も多いのではないだろうか?

時代小説ファンも普段時代小説を読まない人も等しく楽しめる小説であろうと思われる。
またアクションシーンが多いので映画ばえしそうな内容だ。

織田信雄に漂う悲哀~あいつは能でも舞わしとけ~

織田信長の次男として生まれたとされる織田信雄。
彼の逸話で最も有名なのが「信長からの怒りの手紙」であろう。
その中身はを簡単にまとめると、
「なに勝手に伊賀攻めてしかも負けてるの?
こっちに兵を出すのは伊勢の武士や百姓の負担になるから遠征を免れるために伊賀を攻めたのか?いやいやお前馬鹿だしそこまで考えてないだろどうせ。
上方への出兵は俺への孝行や兄貴を思いやる心、そして自分の功績をアピールできる場だったじゃん。
しかも柘植まで殺しやがって。お前の態度次第じゃ親子の縁切るからな?」

という強烈なものでしかも右筆に頼らず信長直筆である。
この逸話から信雄=無能というイメージが定着してしまっている。

また安土城が炎上して焼失したのは信雄のせい、信雄が火をつけたという噂まで流れたほどである。ルイス・フロイスがキリシタンでない人物に対してはサゲる記事を書いていたのを加味しても「信雄は馬鹿だからやったのだ」というこの発言は当時の共通認識だったと思われる。

だが芸達者だった信雄。特に能の名手だったと言われている。
しかしながら近衛信尹卿は信雄の舞を見て感嘆しているのに対し、秀吉は「舞うのが上手い奴にろくな奴はおらん!」と発言していたりする。ちなみに清正や三成も同意見だったようだ。

しかしながら江戸時代に大名として存続したのは信雄の系統だけであったり、継室との間に生まれた織田信良の系統は皇室へと繫がっている。これは戦が下手で周りからも期待されていなかった信雄だからこそできたことなのかもしれない。

また内大臣まで昇った公家でもある。名前の読みは「のぶかつ」「のぶを」どちらでも正しい。

オススメ度

オススメ度★★★☆☆
面白さ★★★★☆
あくまで時代「エンターテイメント」小説である。しかし膨大な量の参考資料に基づいて書かれた本書は私たちを束の間戦国時代へと誘う。忍者に憧れた男子は特におすすめの一冊だ。
忍びの国 (新潮文庫)

和田 竜 新潮社 2011-02-26
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なんだか最近寝ても疲れが取れない。集中力も続かない。そんなこと、ありませんか?

そんなときにはこれ!

そう、兵糧丸だね! そんなわけで今日は戦国の携帯食である兵糧丸を作ってみようと思う。
※兵糧丸はあくまでも携帯食ですので、食べた途端元気になるわけではありません!




もくじ

  1. 兵糧丸とは……!?
  2. 実際に兵糧丸を作ってみた
  3. 実食

兵糧丸とは……!?

兵糧丸とは主に戦国時代、忍者によって使われていた携帯保存食だ。
手軽に食べれ、かつ栄養も取れるものであったようだ。山本勘助が記したとされる「老談集」には兵糧丸のレシピも載っているようだ。

現在、「兵糧丸」は小説やゲームの影響で結構な人が耳にしたことがあるはずだ。
徐々に体力が回復したりだとか、体力が尽きても半分まで回復したりだとか、一回食べれば数時間もつだとか様々な効果があるよう。まさに今の日本にうってつけではないか!

そんなわけで実際に作ってみようと思う。

実際に兵糧丸を作ってみた

なるべくその時代に近しいもので作ろうと思う。
そんなわけで「砂糖」は却下。入ってきていたとは言っても、まだまだ高級品なはずだ。そんな代物を携帯食に使うだろうか。本来であれば「甘草」や「甘葛」を使いたいところだが現在ではむしろこっちの方が入手困難なのである。なので「蜂蜜」で味を調えることにした。
大まかな材料はこちら
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今回は
蕎麦粉 100g
きな粉 25g
餅粉  25g
くず粉 25g
きび粉 25g
の蕎麦粉メインの配合で行うことに。

ここにカツオ節粉 1パック
黒ゴマ 大1
すりごま 大1
胡麻油 大1
酒 大3
蜂蜜 大3
きざんだ梅干し 5個
を別途投入。硬さをみながら水をたしこねる。

生地がまとまったら、ピンポン玉サイズにまとめる。
そして今回は「蒸し」で調理。20~30分蒸して完成。  

実食

完成したのがこちら
DSC_0110
なんだか黒糖団子のよう。
味は「ほぼ胡麻」。蕎麦の香りときな粉の香ばしさはどこかにいきました。
餅粉を少なくした関係からかやや硬めでべたつきは無し。
甘さは無し。煮つけにしてもそうだが、やはり蜂蜜大3程度じゃ甘くはならない。砂糖恐るべし。
咀嚼の途中、僅かに梅干しの酸味と鰹節の香りがするが問題なし。むしろ梅干しは程よいアクセントとなっていて意外と美味しい。鰹節は量的に主張は控え目。これで正解だと思われる。

肝心の腹もちだが、検証した結果「二つ食べて八時間は腹が減らない」という感じ。
※私が小食でした、ということはないのでかなりコスパは良いのではないだろうか。

「上杉家流」ではこれを乾燥させて酒につけてを繰り返す?らしい。余ったものは取りあえず乾燥させてまた食してみようと思う。また山の近くでは鶏卵を、海の近くでは干物を砕いていれることもあったそう。機会があればチャレンジしたいものである。

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