DSC_0216
お祭り紀行第二回
二回目は6月30日に開催された新潟・小出の「しねり弁天たたき地蔵祭り」を見学してきた。
生憎の雨ではあったが凄い熱気で祭りは大盛り上がり!その様子をお伝えします!




目次

  1. 電車に揺られていざ小出!
  2. 金精様渡御!
  3. 見た目に反してメチャ美味い!「アイス『御神棒』」

電車に揺られていざ小出!

JR新潟駅から信越本線で長岡。そして上越線に乗り換え電車に揺られ続けること約2時間!
ついに小出に到着!
DSC_0222
山と川に囲まれ緑豊かな地域だ。電車からは田園風景も見えこれぞ新潟!という感じがする。
しかし当日は生憎の雨!新潟も梅雨入りしたこともあり天気がしばらく悪そうだ。

小出駅で下車し、太鼓の音がする方へ歩くこと約10分。ようやく祭り会場へと到着だ。
今回見に来た祭りは「しねり弁天たたき地蔵」
道には露店や地酒の試飲、越後もち豚の焼き串など様々な店が出ている。

名前から想像できないこの祭りはどんなものなのかと言うと、「男性が女性をつねり、女性が男性を叩く」というものだ。会場付近にはこんな看板も↓
DSC_0204

弁天堂前には祭りの由来もありなぜこんな祭りが起ったのか?という疑問を解消してくれる。
DSC_0208

曰く、この祭りの発祥は上野・不忍池の弁天様の祭にあるという。そこでは正月の初巳のに女性の尻をつねるという風習があったそうだ。それを小出に持ち帰り広めたのではないかと言われている。
DSC_0220
こちらの弁天堂は280年ほど前のものらしく、昔から五穀豊穣・縁結び・子育て・不老長寿・商売繁盛の神様として信仰を集めているという。
DSC_0221
こちらは地蔵堂
元は火伏地蔵だと言う。それがなぜ「たたき地蔵」という風習ができたか?
それは過去日本各地で行われていた「嫁たたき」という風俗が関係している。
正月1月15日にはあずき粥を食べ、かゆ杖というものを作った。このかゆ杖で新しく家に入った嫁を叩くと男の子を授かる・安産になると言われ、全国的に行われていたそうだ。ようするに「子宝祈願」が「叩き地蔵」になったというのである。

しかしいま一度ここで祭りの名前を思い出して欲しい。
この祭りは「しねり弁天たたき地蔵」で「男性が女性をつねり女性が男性を叩く」のである。
上の説明と比較してどうだろうか?
そう。男性と女性が逆転しているのである。叩かれるのは女性であるはずなのに、現在では男性が叩かれることになっている。
それは何故か?その前にこちらを見て欲しい。
DSC_0210
顔にメイクをした青年会の人たちが音頭に合わせて踊っているのだ。
新潟には「新潟甚句」や「佐渡おけさ」といった踊りがあるが、この「しねり弁天たたき地蔵踊り」は振りこそ「新潟甚句」に近いのだが、腰を落とし足をクロスさせ「スーイッ、スーイッ」というように踊っている。この独特の踊りを見るだけに来ても面白いだろう。

さて話を戻そう。真ん中で音頭をとり、円形になって踊るというのは「盆踊り」だろう。
今ではテレビなどでも不思議な風習として取り上げられることも多くなったので聞いたことがある方も多いと思われるが、盆踊りの夜というのは性的乱行の場でもあった。菅笠などで顔を隠すように踊るのもこのため、つまり相手が誰だかお互い知らないように、知っても公言しないようにというためだろう。

この「顔にメイク」というのもおそらく起源はそこに違いない。
そしてこの祭りの五箇条に立ち返って考えてみると、
男性が女性をつねる=気に入った女性に自分の気持ちを伝える行為
女性が男性をたたく=その行為を了承するという合図

だったのではないだろうか?そして時代を下るにつれ踊りとこの奇妙な行為だけ残っていったのではないだろうか?

金精様渡御!

さて祭りはついにメインイベントである「金精様渡御」へと移る。
DSC_0207
どうだろうか!?この雨で濡れそぼり、黒光りする金精様の様子は!?威厳に満ち溢れているではないか!
しかもなんということだろう。今まで雨が降っていたのにやんだではないか!
さすが神様である。
DSC_0214

そしてこの金精様は若衆たちに引っぱられ町中を練り歩く。そして「たたけ!つねれ!」と掛け声で盛り上げるのだが、ここで私は周りを見渡して気づくのである。

夫婦やカップルばっかりやんけ!

そう。完全男一人で来ていた私は完全アウェー!高校生や中学生がキャッキャしているのを淋しげに眺めるばかりである。

さらに先ほどまで踊っていた人が見物客の女性と交渉。女性を金精様の上にのせたではないか!
しかも上下左右に激しく揺さぶっている!ちびっ子も乗って笑っている!なんということ!

そんなわけで、おそらく男性は駄目だが女性は飛び入りで金精様の上にのせてもらえます。豊穣や生産に結びつく性器信仰から始まった金精様に乗ることで子宝・安産・縁結びに御利益があります。こうみてみると現在では子孫繁栄・縁結びの祭となって続いているようだ。

ちなみに19時40分からは新婚カップルが金精様にのって地蔵堂から弁天堂へと向かい、「しめ縄」を金精様がくぐります。終電の関係でこちらは見れませんでした!残念。

見た目に反してメチャ美味い!「アイス『御神棒』」

こんな祭りなのでこんなものも当日限定で販売されていた。
DSC_0218
その名も「アイス・御神棒」
限定630本で一本350円である。カスタード味で中にはカスタードアイスが詰まっている。
何かに似ている気がするが気にせずかぶりつくと、これが美味い。
キワモノかと思いきやメチャクチャ美味いのである。硬めのパイ生地でザクザクとした食感と、カスタードアイスが混じり合い何とも言えぬハーモニーを生んでいる。
このまわりのパイ生地が厚めなため溶けづらいという利点もあり、近場ならばその場で食べなくても家に持ち帰れそうである。

こんな美味いものが祭りの日だけしか売ってないなんてことあるはずない!と思って調べたらありました。「魚沼コルネ」というそうです。こちらは普通の形をした通常のお菓子となっております。

こんなものを楽しめるのも祭りの醍醐味だなあと感じたのであった。
番外編・新潟近郊グルメへと続く

大人の探検 奇祭

杉岡 幸徳 有楽出版社 2014-07-30
売り上げランキング : 97536
by ヨメレバ
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
にほんブログ村

人気ブログランキング
blogramのブログランキング