この本読んどく?

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カテゴリ: その他書籍

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我々日本人は日本に住んでいながらも、日本の文化をほとんど知らないのではないだろうか?

例えば「和菓子」だ。季節によって販売されているものが変わるが、その菓子が持つ意味を外国人に訊ねられて答えることができるだろうか。

急激な欧米化が進み、その過程で忘れられた、あるいは捨てられた日本文化。そんなものも多くあるに違いない。今日は我々が忘れつつある日本の「和」と「美」を再認識させてくれる本を見ていこうと思う。

目次

  1. 刀―KATANA―
  2. 盆栽―BONSAI―
  3. 和菓子―WAGASHI―
  4. 金魚―KINGYO―
  5. 妖怪―YOKAI―
  6. オススメ度

刀―KATANA―

刀 KATANA ジャパノロジー・コレクション (角川ソフィア文庫)

小笠原 信夫 KADOKAWA/角川学芸出版 2016-02-25
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昨今ゲームやなんかで色々と人気沸騰中なのが「日本刀」だ。なんでも刀に萌える刀女子が急増中なんだとか。

そんな日本刀の写真とともに、解説が載っているのがこの本だ。古くは聖徳太子の佩刀とされる「丙子椒林剣」から大坂正宗とも称された「井上真改(刀工)」までメジャーどころからマイナーな刀まで色々と載っている。特に刃文の美しさに注目したい。

だがこの本は刀カタログではない。よって種類が豊富に載っているとは言い難い。またジャパノロジー・コレクションの中では解説が少ない方なので、専門知識とまではいかないが、入門的な知識が事前にないと苦労するかもしれない(私は結構苦労した)

日本刀は「美」の象徴でもあると同時に日本人の「精神」の象徴でもあったはずだ。武士のような生き様が素晴らしい、と手放しな賛同はし難いがこの日本刀が象徴するようなものは是非とも自分の中に持っておきたい所存である。

また自分ではそう思っていないのに、気がついたら刀に手が伸びていた、そして何か斬って見たくなった、という話を聞いたことがある。この本を読みながら写真を眺めていると、確かにそんな「怪しい美」が日本刀にはあるように思える。私は日本刀にまつわる様々な逸話も個性的なものが多く好きだ。歌仙兼定とか。あなたはどんな日本刀がお好きですか?

盆栽―BONSAI―

盆栽 BONSAI ジャパノロジー・コレクション (角川ソフィア文庫)

依田 徹 KADOKAWA/角川学芸出版 2015-03-25
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爺臭い。そう思ってはいないだろうか?
今ではもうほとんど町中では見なくなったと言っていい「盆栽」。昔はそれこそ塀や家の前に盆栽が置かれていたことが多かったようだ。そして盆栽にはセットで雷親爺のイメージがついて来るのは私だけだろうか?(きっと日曜午後六時半のアレのせい)

しかしそんな悪いイメージも本書を読めばたちどころに吹き飛ぶはずだ。
「自然美」と「人工美」を融合させたものがおそらく「盆栽」なのだ。

まずは見て楽しむ。本書にも様々な盆栽が載っているが、盆栽それぞれに違った形や色があり、見ていて飽きない。盆栽の形は当然人の手が入っているが、それが同じ盆栽であっても育てる人物が違ったり、手入れを怠ると形が変わってくる。

だが見て楽しむだけでは十分ではないことが本書を読めばわかるはずだ。そう。実際に自身の手で盆栽を作り、育てて楽しむ。これが重要なのだ。筆者の依田氏も言っているが、日本人が楽しまずに海外に普及させて何が日本文化だろうか。クールジャパン大いに結構。しかしその前に我々自身が楽しむこと。それが一番重要なのではないだろうか。英語を話せても中身がなければ話せないのと同じことである。

ちなみに最近では女性のあいだで「ミニ盆栽」なるものが密かなブームらしい。画像を見ると確かに可愛らしいものが多く、値段も手ごろだ。この機会に盆栽にチャレンジしてみてはいかがだろうか?

和菓子―WAGASHI―

和菓子 WAGASHI ジャパノロジー・コレクション (角川ソフィア文庫)

藪 光生 KADOKAWA/角川学芸出版 2015-01-24
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和菓子といえばあんこ。あんこといえば和菓子。だがそれだけが和菓子ではないのである。
洋菓子が入ってきてからは目に見えてその勢いに押されている和菓子。そもそもあんこが苦手だと言う人が私の周りには多い気がする。あのベタッとした甘さが苦手らしいのだ。

しかしながら本書ではあんはあんでも様々なものがあることをしっかり説明してくれている。美味しいあんは口溶けが良く、粘り気があるように見えてもスッとなくなる。さらに求肥や葛などの爽やかな食材や、それらの組み合わせで目にも鮮やかな和菓子が生まれることも書かれている。

和菓子は五感の芸術である」とは虎屋十六代目当主・黒川光朝氏の言葉だ。
和菓子にはそれぞれの時季にしかでない菓子がある。その菓子が店頭に並ぶことで、季節がやってきたことを感じ取る。

二十四節季七十二候それぞれに対応した和菓子があるそうだ。これは平安の昔から時季の移ろいを気にかけていたからこそ発生したものではないだろうか。その和菓子を食べながら風景を楽しむ。そんな休日もたまにはいいかもしれない。

金魚―KINGYO―

金魚 KINGYO ジャパノロジー・コレクション (角川ソフィア文庫)

岡本 信明,川田 洋之助 KADOKAWA/角川学芸出版 2015-07-25
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今回の本の中で一番おすすめしたいのがこの「金魚」である。
もうすぐ祭の季節がやってくる。出店の定番と言えば金魚すくいだろう。私は定番の和金や出目金、らんちゅうぐらいしか知らなかったが、この本では様々な金魚に出会える。
読んでいてすぐこの本の虜になると思う。なんてたって金魚がとても可愛い!愛くるしい!

縁日で見るような金魚しか知らなかったのだが、意外にも金魚の種類は多い。中国から入ってきた物らしいが、外の文化や技術を日本流にアレンジするのは昔から得意とするところだったようだ。

本書に出てくる金魚たちは皆違った表情をしていてとても美しい。らんちゅうや江戸錦に東錦……。本当に見ているだけで癒やされる。

さらに本書の良いところはその解説の丁寧さだ。事前知識なしでも楽しく読める。
また、頂点眼という金魚には衝撃を受けた。こんな金魚がいるとは驚きである。その顔を見ていると日常の嫌なことを忘れさせてくれるようだ。

妖怪―YOKAI―

妖怪 YOKAI ジャパノロジー・コレクション (角川ソフィア文庫)

小松 和彦 KADOKAWA/角川学芸出版 2015-01-24
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説明や語りのうまさに定評がある(そう思っているのは私だけかもしれないが)小松和彦氏監修である。

本書は特に「見て楽しむ」ということに重点を置かれている。確かに解説も面白いがやはりメインは妖怪たちが描かれている絵図だろう。内容も妖怪初心者向けで、それこそ小学生が読んでも楽しめる出来になっている。また、この本を読んで「妖怪と幽霊はどう違うのか?」と疑問に思った方は小松氏の著書「妖怪学新考」や「日本妖怪異聞録」がおすすめだ。

日本人が、いや近代人が、妖怪というものを信じなくなって久しい。きっとそれには井上円了の活躍が大きかろうと思われる。しかし、信じなくなったといっても「妖怪達」は我々日本人のすぐそばにいるきがするのだ。でなければとっくに妖怪の話題なんぞしないはずだし、「妖怪ブーム」なんてものも起きていないはずだ。なぜそれほどまで「妖怪」は老若男女・老い若いを問わず私たちの気を惹くのだろうか?それは本書を読めばきっとわかるはずだ。

本書には様々な絵図が載っているが、個人的には屁をして相手を退治する図や、異種合戦の様子が印象に残った。

オススメ度

オススメ度★★★★★
面白さ★★★★☆
合計★九つ
このシリーズは全部で11冊あるそうだ。他にも面白そうなものがたくさんあったので自分のお気に入りの本を探してみるのも一つの手だろう。
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今現在、自分の家、もしくは自分の部屋に何冊の辞典があるだろう。 まだ捨てていないという人はおそらく三冊、国語辞典・英和辞典・古語辞典ではないだろうか? 

そもそも現在ではネットで調べればすぐ単語の意味は出てくる。持ち運ぶんだったら電子辞書。そもそもアプリが入っている、そんな感じではないだろうか。

しかしながら本書には他の形態の辞典を貶めることなく、紙辞書について熱く語られている。我々の今後の人生を一変させるかもしれない、そんな本書を今日は見てみようと思う。
※私は本書を読んですぐ書店へ向かった。まさに目から鱗の本である。こんな本を書いてくれて本当にサンキュー!と言いたい。


目次

  1. サンキュータツオとはいったい誰なのか?
  2. 「国語辞典の遊び方」を読む
  3. 実際に遊んでみた
  4. オススメ度

サンキュータツオとはいったい誰なのか?

この読むからに怪しげな人物「サンキュータツオ」とはいったい誰なのだろうか。

これが現在のネット社会のありがたいところである。ググれば簡単に出てくるのだ。簡単にまとめさせていただくと、オフィス北野所属の芸人さんである。ピンではなくコンビを組んでおりコンビ名は「米粒写経」芸人として活動する一方で一橋大学の非常勤講師も務めているという人物である。

趣味が高じて本を出した、というよりも学者が趣味で芸人やってるの方がしっくりくる。

ちなみにもう一つの著書「へんな論文」も読んでみたがそちらも大変面白かった。そしてせっかくなので漫才を調べて見てみたが非常に面白い。特に歴史好きにはたまらないはずである。こちらもぜひ見て欲しい。

「国語辞典の遊び方」を読む

では実際に読んでみよう。
本書は一章と二章に分かれており、一章では辞典の成り立ちから多様化にいたるまでの説明を突っ込みや解説つきで面白おかしく説明している。特にそれぞれの辞典の違いについて語られているところは非常に面白い。

私自身、辞典なんてどれも同じことが載っているだろうと思っていた口なので(よくよく考えてみると、それならば各出版社が競うように辞典を出す意味がないではないか)各辞典の特色、掲載語の選定法、または編者による個性など楽しく読むことができた。

辞典についての本ということで固めな文章が続くのだろうか? という人は安心してほしい。そこはさすが芸人である。飽きさせず、それでいてわかりやすく解説してくれている。

さらに二章では著者自らが選んだ辞典を男性キャラクターに例えて解説してくれている。(おそらくこれは著者がBL好きであることも関係しているのだろう)たとえがとても的確である。こういう風に解説してくれると、普段身近に感じない辞典との距離がグッと縮まるような気がするのは私だけだろうか?

実際に遊んでみた

そんなわけでこの本を読み終わった私は早速書店へ走った。無論辞典を買うためである。DSC_0104
そして「新明解国語辞典 第七版」「ベネッセ表現読解国語辞典」「明鏡国語辞典 第二版」をゲットした次第である。

せっかくなのでこれを使って読み比べをしてみたい。以下すべて上記三つの辞典それぞれからの引用となる。

本書内では「恋愛」について触れられているので、ここは「恋愛」を分解してまずは比べてみようと思う。
≪恋≫
「新明解」……『特定の異性に深い愛情をいだき、その存在が身近に感じられるときは、他のすべてを犠牲にしても惜しくないほどの満足感・充足感に酔って心が高揚する一方、破局を恐れての不安と焦燥に駆られる心的状態』
「明鏡」……『特定の異性(まれに同性)を強く慕うこと。切なくなるほど好きになること。また、その気持ち』
「表現読解」……『男女の間で、相手に強く引かれ、慕う気持ち』

並べてみると改めて思うが、かなり差異がある。「新明解」はかなり主観が入っているようで、読んでいて面白い。「明鏡」は現在の社会の状況に合わせてきたのだろう、他の二冊が男女間と限定しているのに対し、同性でもあり得るというところに編者の考えが見えるようだ。「表現読解」は解説こそあっさりだが、「恋する」という思いの強さに応じてより適当な表現を提示してくれている。

≪愛≫
「新明解」……『個人の立場や利害にとらわれず、広く身のまわりのものすべての存在価値を認め、最大限に尊重してきたいと願う、人間に本来備わっているととらえられる心情』
「明鏡」……『価値あるものを大切にしたいと思う、人間本来の温かい心』
「表現読解」……『相手のために尽くしたいと思う、温かい気持ち』

「新明解」は範囲が非常に広い。範囲としては新明解>明鏡>表現読解だろうか。しかしどれも人間に本来備わっている(備わっていてほしい)温かい心情である、という意味で共通している。

こうして見てみると、同じ語なのに説明の仕方によって読み手が受ける印象が大きく異なる。だからといってどの日本語が正しい、どの辞典が間違いということは無いのである。私も「絶対的に正しい日本語」というものは存在しないと考えている。「ら抜き言葉」も「ヤバイ」も定着してしまえば「正しい日本語」となる。そもそも「これは間違いでこれが正しい」ということが連綿と続いてきたならば、古語や死語なんて存在しないはずだろう。そもそも明治初期の小説を読んでも今ではわからない、使わない言葉が多い。150年ちょっとで大きく日本語は変わってきているということだろう。なのであれやこれやとやかく言うのではなく、日本語の成長を温かく見守るのが良いのではないだろうか。

オススメ度

オススメ度★★★★☆
面白さ★★★★☆
合計★8つ
とにかく手に取って実際に読んでみて欲しい。そして自分のお気に入りの辞典をぜひ購入してほしい。その際には「オススメ辞書占い」を活用すると、きっといい出会いに恵まれるだろう。ぜひこの本も、そして「米粒写経」としての二人も売れて欲しい。
学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方 (角川文庫)

サンキュータツオ KADOKAWA 2016-11-25
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